2007年8月×日 イケズの構造

☆大阪の行政書士、川上恵です☆

「実践ナントカカントカ」「実用○○」と言うような、良く言えば向上心の強い人、 悪く言えばがっついた人が好んで買うような本ばかり購入していることに気づき、これじゃあいかん!心にうるおいがなくなってしまう(肌のうるおい不足は手遅れ)、と鼻息荒く本屋さんの棚を物色した結果、入江敦彦氏著「イケズの構造」と言う文庫本を買いました。

最近でこそ「ドS」と言われますが元々は「イケズ」と呼ばれていた私は、そのタイトルに心惹かれたのでした。

そう言えばはるか昔、関西大学のコーラスサークルにおいて部員の皆様は「イケズしてる」ことを「めぐってる」、イケズな行為を「いや~めぐっぽ~」と表現していましたが、どれも私の名前 「めぐみ」の活用語なのでした。「イケズイケズでどこにも嫁けず。」と言われたこともありました。

そんな私でさえ、京都の人を見て「イケズやなあ~」と思うことがよくあります。

ミーハーだった頃の私が(注※今は質実剛健)先斗町の有名店で食べていた時、お店の女の子が真ん中へんで陣取っていた「いかにも中京(なかぎょう)の和服中年女性達 に「前も来てもらいましたよね?」と気さくに声をかけると、ジロリと一瞥のあと、「いやぁ~・・・知らんわ。」これが大阪人ならたとえその日が初めてでも 「そうそうそう!」と愛想良く頷くのかも知れません(大阪人はお金のかからないこと&実害のないことに対してはキャパが広い)

その他、主に京都の食べ物関係のお店のおばちゃんたちは概ねイケズで感じが悪いような気がします。そう思った根拠は数限りなくあって、いちいち書くのも不愉快(薄れかかった記憶が思い出すことによって鮮明になってしまうから)なのですが、「こんなことは大阪じゃ通れへんで~!」と何度叫んだことでしょう。 (注※京都人=イケズと言ってもその99%は中京に生息する中年以降の女性たちが 醸し出している雰囲気であり、中京を離れれば離れるほど人々の気質は素朴で優しくなるように思います)

と言うことで「京都人(注※中京の)=イケズ=性格悪し」と思っていたのですが、この本を読んで考えが変わりました。イケズと言うのは負の性質ではないのですね。イケズはあっぱれ、イケズはブラボー!つまり京都人は聡明にして心優しい人々なのです。

何のこっちゃようわからん!と言う方は是非ご一読をお勧めいたします。

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この本にはこんなクイズも載っています。

こう勧められてホントにコーヒーが出てくるのはどれ?
A「コーヒー飲まはりますか」
B「そない急かんでも(せかんでも)コーヒーなどあがっておいきやす」
C「ノド渇きましたなあ。コーヒーでもどないです」
D「コーヒーでよろしか」

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唐子人形(河原町通)

話変わって、先日文楽を観てきました。今回の出し物は「契情倭荘子」(けいせいやまとぞうし)「伊勢音頭恋寝刃」(いせおんどこいのねたば)の二作品。前半「契情・・・」の方は宝塚 言えばレビュー、吉本新喜劇で言えばポケットミュージカルのような位置づけでしょうか。蝶の化身(たぶん)である一組の男女がひらひらと舞い踊ります。

後半「伊勢・・・」は歌舞伎を元にした作品で、馴染みの遊女と お家に伝わる名刀をダブルで取られたと思いこんでスイッチ入った 主人公が伊勢古市の遊郭で暴れまくり、憎々しい仲居を皮切りに、寝ぼけまなこで出てきた年端もいかない禿(注※「ハゲ」ではなく「かむろ」)など罪のない人までめったやたらに斬り殺す大量殺人劇です。

最後には主人公、、由緒ある刀とその刀の折紙(保証書のようなもの)が手元に戻ると、板前として油屋に入り込んでいた腹心の家来に後のことを託し伊勢音頭の聞こえる中とっとと国元に急ぐのでありました。 (この大量殺戮の結末は一体どうなるのだ。 )

文楽の夏芝居には十中八九どころか十中十九「殺人劇」が上演されるように思います。

昔の人は「怪談」や「殺人劇」でぞぉ~っとして涼をとっていたのでしょうか。猟奇的な事件が頻繁に起こる現代の人間からすれば羨ましい限りです。

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曾根崎心中のポスター

*この記事の日付「○日」はWordpress移行に際し便宜上割り振ったものです。