2008年5月×日  栃木県大田原市の小熊

日本熊森協会HPを見たところ、「栃木県大田原市で小熊が捕獲され8日午前中に引き取り手がなければ殺処分」と言うの記事が目に留まりました。

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漫然と捕殺ばかりしていても問題は解決しません。子供たちに 「命を大切に」と教育しても、捕っては殺し捕っては殺しの現実を見せつけていたのでは、 説得力がないと思います。

大田原市に電話したところ、総務防災担当の方曰く、懸命に引取先を探している、猶予はいつまでと言うのはないが、クマもこのままドラム缶檻に入ったままでは・・・とのことでした。動物園等に引き取ってもらうのではなく、もともと奥山にいたのだから、奥山に放獣する方が適切ではないでしょうかと意見を述べたところ、(担当者自ら「これは誠に行政的なお答えなのですが・・・」と言われることには、大田原市には奥山がなく、クマがどこから来たのかが明確でない以上、他の市には放すことが出来ない、ゆえに奥山放獣は難しい。

しかし、元々は栃木県内の奥山にいた筈ですし、(現地の人の話では 「那須塩原に深山ダムができてから、毎年6~7頭のクマが用水路に落ちるように なった。1回落ちると両側は高いコンクリートで這い上がれない。そこで
30km~40kmかけて下流に流されてくる。今回のクマも那須塩原から流されてきたと思う。」 )このような緊急事態の場合は、県も交えて関係各市と協議して解決に当たるべきであると思います。動物は移動するものですし、ましてや人工物が原因で移動してきたことが考えられるのなら、行政区画がどうのこうので殺されて
しまうのはあまりにも理不尽と言う感情が湧きます。県がいくら市町村に許可権限を与え判断を任せたと言っても、この現況では殺す以外の他の手だてがなくなってしまいます。

クマの行き先は探さなければならない、見張りも置いておく必要がある、そして私の様に他府県から問い合わせる人も少なからずいるでしょうから、その人たちにいちいち説明もしなければならない、担当の方々も本当に大変だと思います。

行政が法律や制度でがんじがらめなのはわかりますし、そうあるべきとも思う反面、ときには血の通った弾力的な措置を取って欲しいと思うのは私だけではない筈です。

小熊には出来るだけ生存のチャンスを与えて欲しいこと、今後のために野生動物の専門家の意見も仰ぎながら県や市の垣根を超えて被害防止を含めたクマとの共存策についての積極的な取組をして欲しいことを要望しました。

このようなことは、関心を持つ人が多ければ多いほど実現しやすくなりますので、 賛同いただける方は是非是非大田原市に嘆願のお電話お願いいたします。

大田原市役所:0287-23-1111(代表)

環境省クマ類出没対応マニュアル

(※追記)
このクマは「クマ牧場」行きとなったそうです。「クマ牧場=劣悪な環境」と認識していますので、手放しではとても喜べないのですが行政の方々のご尽力に感謝いたします。

*この記事の日付「○日」はWordpress移行に際し便宜上割り振ったものです。