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浮世絵の客引き

「改正大阪府迷惑防止条例」が令和4年7月1日から施行されました

 ちょっと前(注※私の「ちょっと前」は単に体感で言ってるから、けっこういい加減・・・。)まで、「ガールズバーいかがですかぁ~?」「ビキニバーいかがですかぁ~?」などと通行人に声がけする女の子たちが繁華街のそこここに立ってたものです。

 そして、「業種そのもの」を安直に連呼してることに違和感を覚えながら、「お店が暇なもんで、『お茶を引いてる(or油を売ってる)んなら、お客をつかまえて来んか!』と阿漕な経営者に強制されて、こんなとこでこんなことを嫌々やってるんかも。お店で人気者だったら、往来に立ってないんかも。かわいそっ。」(失礼な感想)などと想像して足早に通り過ぎたものです。

 歓楽街の風物詩?となっていた「○○、いかがですかぁ~?」行為ですが、締め付けが厳しくなりました。

 大阪府には「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称「迷惑条例」)があり、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もって府民及び滞在者の平穏な生活を保持することを目的とする。」となっています。時の流れで人々のメンタリティも変化!それに応えて新しいビジネスモデルが次々に出現!条例のすき間を縫う行為も横行!増えてきた実害!「そろそろ、ルールの見直しをせんとアカン!」と言うことになり、これまで「モヤモヤ~ンとしながらも、なんとな~く見過ごされてきたもの」がテーブルの上に乗せられ、トンカチされて今回の改正に至ったものと思われます。

 この手の客引き行為は「ビヨーンと鼻の下を伸ばして付いていった客」と「シャキーン!と爪を長くして待っていた店」との間のトラブルの原因になりやすいだの、街の美観を損ねるだの、青少年に悪影響を及ぼしかねないだの、色々な理由でNGとされるんでしょうが、通行人の二の腕に突如からみついて引っ張りまくる強烈客引きおばさんたち(集合体)や、毎日毎日、決まった時間帯に決まった場所で客の袖を引くある種の勤勉おじさんたち(やっぱり集合体)を(婆やのねんねこ半纏の中から)見かけて「あんなにも規則正しい生活が出来るんなら(私には無理)、寒さに震えながら(or暑さにうだりながら、or雨に濡れながらetc)客引きをせずとも、他の仕事が出来るやんッ!」とツッコんでいた私からすれば、女の子が一昔(二昔?)前のヒッチハイカーみたいにボードを持って声がけするくらいはええのでは?と、思わないでもなかったです。(だって、濃い人たちを見過ぎました。)

 で、肝心の改正内容についてですが、大阪府警察のHPにわかりやすく説明されています。

大阪府警察HP「大阪府迷惑防止条例(不当な客引行為等の禁止)の一部改正について」

 それによると、「これまでは、異性を接待するお店の客引行為を規制していたが、施行後は、同性であれ異性であれ全面禁止!」だそうです。これって、前から、行政書士の研修なんかでは「不十分なルール(異性間だけ規制してること)」みたいに言われてましたが(男色なんて昔からあったわけですし。ちなみに、知ってビックリしたのですが「東海道中膝栗毛」の主人公の弥次さん喜多さんも男色の関係なんだそうです。小学生のときに子供向けの膝栗毛を読みましたが、そんなことはどこにも書いていなかった・・・。)最近の傾向で「放置不可避(中二病的表現)」となったのでしょうか。

 また、キャバクラやホストクラブ等の接待飲食店による客引き等は前から禁止でしたが、ガールズバーのスタッフによる客引き等も「アカンやつ」となりました。警察のHPには「改正後は、異性に対する好奇心をそそるような方法により客に接して飲食をさせる形態の営業(酒類を提供するものに限る。)による客引き等が禁止される。」とあります。

 ここで私は「えええ」となり、「皆ッサーン!」とひょっこりひょうたん島のドン・ガバチョ氏の様に叫びたくなりました。(年ばれる)

  「異性に対する好奇心をそそるような方法により客に接して飲食をさせる形態の営業(酒類を提供するものに限る。)」て。・・・何、この何かスゴく苦しそうな表現。

 「異性に対する好奇心をそそるような方法」と言うのが具体的にはどの様な方法か気になるところです。魅力的な容姿や話術で異性を呼び寄せる従業者を置く、とかそんなことでしょうか。

 白黒ハッキリ二分したい性格の私としては、「接待あり/接待なし、飲食だけ!」だけで良いやん、と思ってしまうのです。接待はしないけど、人の好奇心(て言うか、好色なのでは?)にうったえた飲食店営業(飲み食いは二の次?)が行われるのだとしたら、そんな営業は、何だか徒花ぽい。(しかし、世間には徒花と言う花の存在も必要なのもこれまた事実・・・。ブツブツ・・・。)価格設定とか営業内容から考えると接待飲食店には当たらないけれども、同じような施設を用いて「異性の好奇心をそそる」スタッフがいて、お酒が介在し、深夜営業、ともなると、接待飲食店の様なサービスが成される可能性があることは容易に想像がつきます。(料金の方はどう調整するのか知らんけれども。)この営業、「忍法、お茶濁し」に思えるのは私だけでしょうか。

 それはそれとして、面妖だなと思ったのは、接待飲食店による客引き行為の規制のところで「異性に限っていたのを見直した」のに、ここでは旧態依然として「異性に対する好奇心をそそる」なんて「異性に限定してる」ことです。このご時世、異性ではなく、同性に好奇心をそそられる人もおりますやん、そこは横断的に考えんとまたもや「取りこぼし」が出ますやんか、などと心配しておる次第です。

 それから、性的サービスを提供するマッサージ店(韓国エステ等)が普通のマッサージ店を装ってする客引き行為も横行しているのだそうです。そこにもメスが入り、一般マッサージ店等が営業を終えた深夜(午後10時から翌午前6時までの間)の客引き行為がNGとなりました。性的マッサージ店はそもそも客引き等NGですので、「八方ふさがり」を狙ってのことでしょう。

 7月からは歓楽街の風景も様変わりするのでしょうか。

 個人的には、一番気になる寝返り500回モノの事柄は、飛躍的に成長したIT社会に関連した営業(映像送信型性風俗特殊営業とか、インターネット異性紹介事業とか)の届出に今や大きな問題がある(と私には思える)ことや、「カラオケバー」と銘打って接待飲食店の申請逃れをやってるんだろうな的なお店が散見されることです。これについては、近日、時間の余裕があるときに改めてUPしたいと思っています。(注※私の「近日」は単に体感で言ってるから、けっこういい加減・・・。)