2007年6月×日  5つの自由 Five Freedom

先日UPしたPETAによる抗議活動 についての記事がネットに載っておりました。

「大阪・キタの路上(大阪市北区角田町のケンタッキーフライドチキン梅田HEP通り店前)に14日、『動物への 思いやりを』」などと書かれたハート形の厚紙を体の前後にまとっただけの米国人女性2人が突然現れた。」とありました。

畜産動物について常日頃あまり考えるところがない大方の人は、半裸の金髪美女のアクションに最初はギョッとして後に苦笑しておられたのではないでしょうか。

日頃食べてる動物たちの飼養状態なんて、ほとんどの人が知りたくもないのが現実だと思います。

だって同じ食べるならギルティ感覚を味わうことなく味、香り、テクスチャーを存分に堪能したいじゃあ~りませんか。

かと言って、動物たちが自分たちで声を上げることは出来ません。「このヒドイ環境をどうにかして~」って・・・。

と言うことは・・・やはり誰かが彼らの代わりにその苦痛を代弁してあげないと何も変わらず、彼らの無間地獄が続くわけです。

ならば、肉を食べてる人の胸ぐらをつかんで大声で抗議すればいいのか?

それはかえって逆効果。

たとえ正しいことであっても、かさ高く暑苦しい印象を醸し出すだけで、大抵の人は拒絶反応を起こして 聞く耳持たなくなるから。

多くの人を味方に付けて社会問題にまで高めないと、問題は永遠に解決しないでしょう。

それには先ずマイルドな形での注意喚起。

だから・・・どうしても一見おちゃらけた感じになるわけですね。笑顔でやっていても、活動家の胸の中は憤懣で一杯の筈です。

でも、やたらと吠えても手段としては非常にマズイのを経験則として知っているから、 あんな表現方法になるのです。 (その点、私などはまだまだ未熟者。炎天下に犬の散歩をしている大バカ者を見ると、「あ~っ!かわいそ!犬死ぬ!」などとすれ違いざまに罵倒してしまいます。)

ちなみに数年前にマクドナルドは鶏の福祉を考慮して(???) 「1羽あたりA4以下のスペースで飼養している農家からは鶏を仕入れない」と発表しました。

A4~!

このサイズでもまだまだ狭いのに、実際にはどんなに過密な状態なのか、推して知るべし、 です。

相対的に見てEUでは畜産動物の福祉は進んでいて、そこでは5つの自由がよく謳われています。

「動物の5つの自由」

1.【餓えと渇き、栄養欠如からの自由】
完全な健康と元気を保つために新鮮な水と食事が確保されること。
2.【不快からの自由】
避難場所と快適な休息場所を含む、適当な環境が確保されること。
3.【痛み、傷害、病気からの自由】
病気などの予防と迅速な診断および処置がなされること。
4.【正常な行動ができる自由】
動物が動くことができる十分なスペース、適切な施設および同じ 動物の仲間が確保されること。
5.【恐怖や絶望からの自由】
精神的苦痛を回避するための条件の確保。

1997年のアムステルダム条約において「家畜は単なる農作物ではなく、感受性のある生き物」として定義され、また、家畜の福祉基準として「5つの自由」が提起されました。

この2つの認識は、動物には苦痛やストレスを感受する能力があり、ストレスによって健康を害し病気に感染するメカニズムが存在すると言う、科学的な根拠に基づいているそうです。

それに比べたら日本・アメリカなんてお粗末なもんです。

私はお肉は食べませんが人に「食うなっ」と言うつもりはありません。

でも、畜産動物がどんな状況で飼養されているかを知ることはすごく大事なことだと思います。

銀座でも毛皮反対アクションがありました。大阪と同様に、たくさんのメディアが取材に来ていたそうです。

始めて見た人は「アホかいな」と思うかも知れません。

でも、100人にひとりでも畜産動物や実験動物等の産業動物がどんな状況で飼育され、自分の口に入るか、または実験に至るのかをちょっとでも考えるとすれば、それだけでもしめたものだと思います。

*この記事の日付「○日」はWordpress移行に際し便宜上割り振ったものです。