転載◆ ALIVE-news ◆EUが動物実験の廃止を目標にすることを明言-117万名の署名を受けて 2015.06.25

EUは畜産動物の扱いに対しても厳しい縛りを課しています。

例えば、同じように狂牛病に苦しんだイギリスと日本ですが、苦い教訓を得て法律や制度を整備しているイギリスに比べて日本は経験から学んだとはとても言えない状況です。

一つは、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言う日本人の気質(国民性)故でしょうか。騒ぎが収まるとサッサと忘れちゃうところは、良いところでもあるんでしょうけど、動物にとっては迷惑やね。

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動物実験の廃止を求めるヨーロッパ市民が3月に117万名の署名をEUへ提出した(※)ことを受け、欧州委員会(EUの法案提出等を担う)は、提出された動物実験廃止提案について審議し、6月に結果を報告書にまとめ、公表しました。

報告書によれば、委員会は動物実験が人や動物の健康や環境を守るために重要で、廃止は時期尚早であるとして、2020年までに動物実験を段階的に廃止するための法規制の枠組みを作ることを求める市民の提案をしりぞけました。

しかしながら報告書には、「EUは動物実験を段階的に廃止すべきという市民の考えを共有しており、動物実験の段階的廃止はEUの法規制の最終目標である。」との明言が繰り返し記述されています。

EUは1986年に定めた実験動物保護に関するEU指令を2010年に改正し、実験施設や実験者、実験計画の許認可等を含む、世界で最も厳しい法規制を採用しています。それでもなおかつ最終目標は動物実験の廃止にあることを明言し、目標に向かって努力することを宣言しているEUに比べ、日本では未だに動物実験施設の届出制すら認めず、行政も市民も動物実験の実態すら把握できないというお粗末な状態が続いています。

動物愛護法を所管する環境省や国会議員に対し、日本もEUを見倣って動物実験の法規制を導入するように訴えていきましょう。

(※) EUにはEuropean Citizens’ Initiative(ECI)という制度があり、28か国中少なくとも7か国から既定数を超える合計100万人以上の署名を集めると、市民がEUに直接提案を発議することができるそうです。本件はこの制度を利用した3回目の発議に当たるとのことです。

EUの報告書
http://ec.europa.eu/environment/chemicals/lab_animals/pdf/vivisection/en.pdf

署名主催者のウェブサイト
http://www.stopvivisection.eu/en

本件を伝える記事
http://www.european-biotechnology-news.com/news/news/2015-02/no-new-eu-law-to-end-animal-testing.html
https://news.vice.com/article/europe-rejects-12-million-signatory-petition-to-ban-animal-testing

(参考)EU の実験動物保護指令
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_4023711_po_025406.pdf?contentNo=1